今週のお題「ふつうに良かった映画」
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2002/06/28
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昔の映画で、だから、使われてるガジェットとか古い。
中学生同士の関係性も、貧困がリアルになってきて、格差があるのが当たり前、コミュニケーションの手段が携帯電話になって、ある程度、逃げ道が出来ている今と違って。
ネットでの知らない誰かとのコミュニケーション、そういう世界の果てへの脱出ツールだったインターネットがリアルの人間関係に浸食されて、どこまでも日常が追ってくる今と違って。
可能性、世界へ広がってるかもしれない可能性。
だから、それが、どんづまっているこの日常の延長線上にしかない、と知ってしまった、理解してしまった時の絶望、子ども時代が終わる瞬間。
ああ、言葉にすると、すごい陳腐になる。
この物語の、それは、水の底のような静かで、音のない世界、冷たくて透き通っていて、おしつぶされそうに重いのに、まるで死んでいるみたいに安心する、そういう世界、と、その世界で、深海魚のように息を殺しながら生きている少年たちの、そんな世界の話だ。
今も、田舎のリアル中学生の間にはこういう世界観のリアルがあるんだろうか。少なくとも自分が中学生の頃には感じていた。