こちらの記事に書かなかったこと。
今から三週間前に、10年間、一緒に暮らしている猫が、亡くなりました。おしおという名前の女の猫でした。
4歳(もうすぐ5歳)の長男と2歳(もうすぐ3歳)にとっては、生まれてから一緒に住んでいた家族で、お葬式の時に長男は号泣していました。
おしおのこと - orangestarの雑記
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それからなんですが、やはり二人とも、すごい不安定になりました。長男は、それまで毎日ものすごく楽しみにしていた幼稚園に行きたがらなくて、また、昼のお昼寝の時にも寝れなかったり、泣いたりぐずったりしていたそうです。
おしおがいなくなってから一週間は、無理に元気にふるまっていたんですが、それが過ぎたあたりから、感情が追い付いてきたのか、張り詰めていたものが途切れたのか、おしおの名前を口にするようになったり、どこにいったのかなあ、というようになりました。たぶん、死という概念は理解していて、ただ、それをどうやって理解していいのか、まだ、わかんないんだと思います。でも、そんなの大人だってわかんない。
彼曰く、おしおは、今猫バスになっているそうです。時間通りには来ないらしい。妖怪ウォッチを見ていて、死んだら幽霊になる、妖怪になる、というような死生観があるらしいです。そういう彼のふるまいを見ていて、死後の存在についての概念というのは、身近な人の死を受け止めて処理するのにとても必要なものなのだと、数十年生きていてようやく(実感として)わかりました。
まだ、家のあちこちに、生きていたころのおしおの痕跡が残っていて、また、あらゆる場所が、おしおのいた場所なので、いろんなところでおしおを思い出すみたいです。
2歳児については、おしおが生きていた時は、ずっと、おしおと一緒に遊んでいて、(というかおしおが2歳児をあやしていて)おしおの近くまで忍び寄って、寝ているおしおのお腹にバフー!といきなり顔をうずめる遊びをしていたり、わざとおしおの尻尾を踏んで(おしおもわざわざ踏まれる場所にしっぽを置いている)踏まれて、ブニャー!と怒るまでワンセットの遊びをしていたり、そういうことをしていました。また、まだ幼児のころに、いつも寝かしつけをしていたのは(実際は妻が寝かしつけをした後にやってきて、起きないように、背中であっためていたり、お腹にぴったりとくっついていたり)(体温がそばからなくなると、フェ!って目を覚ますので)おしおでした。
おしおがいなくなってから、2歳児は、ベットの下をのぞき込んだり、ソファの下を探したり、今まで、おしおがいた場所を、探し回るようなしぐさをするようになりました。死を理解しているのかはわからないですが、まだ、ずっと、急にいなくなった猫を探しています。
そして、二人ともに共通のことなのですが、ちょっと、夜、うまく眠れなくなりました。
ふたりとも、寝つきが悪くなりました。また、長男は、仮眠気味になって、もともとは睡眠時間が少なく、一日に8時間くらいしか寝なかったのが、14時間以上寝てしまうようになりましたし、逆に次男のほうは、眠りが短くなりました。いつも、布団の部屋でおしおと寝ていたので、(寝ているとどこからともなくブニャブニャ言いながらおしおが入って二人の枕もとで丸くなったり、二人の間に割り込んで寝たりする)それがいないのがつらいのか、布団の部屋に行くのをなんとなく嫌がるようになりました。眠りについても、夜中にふいに泣きながら目を覚まして、ずっとぐずぐず言っていたり、寝室を出て姿を探したり、そういうのが、ちょっと続いていました。
夕方から、夜が来る時間帯になると、昼間どれだけ楽しくても“なにかよくわからない怖いの”“不安感や寂しさ”がやってくるみたいで、急に不安定になったり、ベタベタしたり、よくわからないワガママを言ったり。
で、そういうのもあって、寝室プロジェクターを導入しました。
そうすると、夜、布団に行くのが楽しみになったみたいで、“109シネマしよ!”って言って、自分から布団の部屋に行くようになりました。ちなみに109シネマズというのはいつもいく映画館で、彼の中で素敵な映画館の代名詞になっているみたいです。初めて、寝室映画館をしたときに「109シネマズみたい!」っていってはしゃいで、それからわが家では、寝室でプロジェクターをかけることを109シネマズというようになりました。次男も、同じように、布団の部屋に行くようになりましたし、夜中に、泣いて目が覚める、ということもなくなりました。(完全になくなったわけではないです)
そういうことがあって、思ったこと。
日常の中にそういった、自分を、あやせる場所、行為というのがあるというのは、とても大事なんだろうなっていうこと。生活の中に、ちょっとしたご褒美、というか、何か素敵な場所や物を用意しておくこと。
毎日を生きていく中で、どうしても辛いことというのはあって、その中には、本人の努力や工夫で解決できることもあるけれども、自分の努力とかでどうにもならないこと、どうしようもないことっていうのはある。自分は、そういうのは、噛み締めるように生きていかないといけないと思っていたけれども、どうも、そういうのは間違ってるんじゃないか、って、結婚してから(まあ、結婚から大分たってからだけれども)思うようになった。どうしても辛いことはどうやったって辛いし、小さな楽しいことをたくさん見つけて作って、そうやって、ネガティブな言葉で言うなら“なんとかやり過ごす”、ポジティブに言うなら、“生きていることを楽しむ”そういうことが大事なんじゃないかなって思うようになりました。それは逃げてるんじゃなくて、その場でとどまって動けなくならないように、少しづつ安全な足場を作っていく作業なんじゃないかと。
いつか、子どもたちが、自分たちでそういう足場を作れるようになればいいと思いますし、そうなってほしいと思いますけれども、とりあえず、今は、そういう場所を、大人として用意してあげようと思います。
参考:あなたをあやせるのは、あなただけ - orangestarの雑記
ただ、もう、これ以上トミカは買わん。
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猫と、それを含めた育児のこと。comicZINまたは即売会にて取り扱い中