orangestarの雑記

小島アジコの漫画や日記や仕事情報など

『ここにいる自分』を手に入れて、『偽物の物語』がわからなくなってしまった話。

今開催中のFGOのイベント、『復刻版レディライネスの事件簿』
復刻にあたって追加されたおまけシナリオ、『偽典の帰還』のシナリオがとてもよかった。偽物と偽物の、それでも元の場所への帰還を目指す列車の旅、銀河鉄道の旅を思わせるロマンチックな旅の物語。物凄く酔ったのだけれども、でも、そんなに自分に刺さらなかった。けれども、9年位前の自分だった物凄く刺さったのだろうという確信がある。
変ってしまったのは自分で、虚構、偽物である存在に対して感情移入できなくなってしまったのだ。
それは自分が生活者になってしまったからだと思う。
毎日、誰かの生活のためにご飯を作ってお風呂を沸かして、朝起こして、夜寝かして、買い物をして、晩御飯のメニューを考えて、洗濯をして。そういうことをしているうちに、自分が生活そのものになっていく。
それは悪いことではないという人もいるし、詰まんない人間になるっていう人もいる。自分にはよくわかんない。ただ、自分がそういうものになってしまったということだ。
孤独とか、どうしようもない存在のなさ、とか、そういうものから遠ざかってしまった。
心を震わす何かからとても遠くなってしまった。

それでも、どうしようもない寂しさもなくて、いろんなものが、生活の中に埋もれていく。
今まで感じていたことや、作ってきたものの意味が分からなくなってしまった。