orangestarの雑記

小島アジコの漫画や日記や仕事情報など

なんで“はてなブックマーク”はキュレーションサイトじゃないのか

A.キュレーションサイトです

ちょっとこれから書く話は長くて取り留めもないし、まとまりもないし、たぶんオチもないので、どうでもいい与太話を読みたい人以外は見なくていいです。

今から5年くらい前のことamazonで

今から5年くらい前かもうちょっと前のことなんだけどamazonで商品を買うと、「この商品を買った人は、こんな商品を買っています」って紹介が出て、で、*1その中の商品の半分くらいはもうすでに持っていて、で、残りの半分も、面白そうだから一回読んでみたいと思っていたものだったりしたので、その機会に買ってみたら、やっぱり面白くて、で、その時、ああ、評論とか書評とかいう仕事(サイト)は将来必要なくなって、コンピュータが統計して一人一人にあった漫画なりそういうものをキュレーションしてくれる時代に将来なるんだなあって思いました。

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でもこのエントリは、『どう、当時将来を見越してた俺スゲーだろ』っていうエントリじゃありません。むしろ逆でそれ以降の動きというのは自分の未来予測の完全に範囲外でした。

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その当時の書評サイトとして、有名どころとしてたまごまごごはんなどがありまして
参考:2009年1月あたりのたまごまごごはん
あと、漫画ではないですが、当時のダンコガイ師匠のサイトもそういうサイトでした。
こういうサイトというのは、書評者の信用買いだったわけです。この人がおもしろいと言うならおもしろいに違いないと思って、その漫画を買うという。オンラインでの新しい種類のマンガに手を出すというのは、そういう風になってました。その頃の書評というのは、作品の概要をただ紹介するというのは面白味がなくてあまり評価されず、上記のサイトのような主観たっぷりに(時には元の漫画の通常の解釈を逸脱するような)サイトが、世間では好まれていました。評価も高かった気がします。

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で、僕は、そのamazonの“これ買ってます!”を見ながら、そういうたまごまごごはんみたいなサイトがなくなって一足飛びに、amazonが毎月、『新刊出たよーお前の性癖しってるよーこれ好きだよねーべ、別にあんたの為に取り置きしといたわけじゃないんだからね!さっさと買いに来なさいよ!!』ってメールが来るような世界を想像してたんですよ。でも実際はそうじゃなかった。

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そうじゃなかったになるためのキーワードは3つ。
一つはamazonでそんなに本を毎月30冊も買う人間がいなかったということ、いたとしても全部のマーケットの中では少数派でそれが全体の戦略を動かすほどにならなかったこと。
二つは、googleや他検索サイトからの検索量の増加と、流入に対する対策の進化。
三つ目はアフェリエイトが世間にあまねく広まって、それで生活にする人間が出てきたこと。

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そんな場で何が起こったかというと、書評者の属人的に書かれていた、(読むだけで面白い)書評がなくなって作品や書物の内容をダイジェストで紹介する、しかし紹介数が多くて日に10も30も紹介するサイトがドン!と増えた事です。*2

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結果、2009以前に零細分野になっていた、ただ書物や商品の内容を客観的に淡々と紹介するサイトが増え、その中で、書評者、評論者めいた、独自の解釈でときに原作の世界観をゆがめてまで物語を物語るサイトは、その物量に埋もれるように姿を消していき、結果的に当時よりも、“紹介サイト”自身は増えた、という結果になりました。ただ、自分の世界観を丸出しにして書評する人間や、評論する人間は消えていきました。つまんなくなったなーとも思う。2009年以前は、某社会学者の人も後進を育てようと色々活動もされてたんですが、2009前後ごろからそういうのをやめ、ただ自分が如何にサバイブするかを追求するようになった、というふうに感じています。多分、同じようなことを感じていたんだと思います。

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そして、その後、naverまとめや、2ちゃんまとめサイト(当時から2ちゃんねるの纏めサイトはありましたが、当時のは電車男など、コンテンツ纏めが多かったです。)あらすじや概要をまとめて、煽って、というような商品紹介サイトが増えました。ここでは、もう、書評などの人間の顔は無く、なにかもやっとした、万人に面白いので万人が楽しめるから万人が買ったらいいと思うよ!みたななんかそんなもやっとしたもやっと。

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もやっとしてる。

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で、もやっとしたまま、最近のバイラルメディアなんですけれども、なんかもやっとしている。もやっとしているとしかいえない。

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話戻りまーす!“なんで“はてなブックマーク”はキュレーションサイトじゃないのか”の話デース!

で、はてブの話ですけれども、自分にとって、はてブって手動キュレーションなんですよ。
自分の場合:はてブをするとき、まず、自分のページの“お気に入り”からみます。すると、自分が“お気に入り”に入れた人の記事が上がってきます。

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たとえば
(b:id:FUKAMACHI)さんだったら、ノーフューチャーだったりリアルディストピアだったり、山形すごい記事が、
(b:id:furan)さんからは、ラノベ、漫画系の記事が、
(b:id:kanose)さんからは、カメラの撮影やレンズの話、または新しいガジェットの話が。(そう!(id:kanose)さんはhatenaの記事ばかりブクマしてるわけではないのです!)
(b:id:jt_noSke)さんからは、えーと、ダジャレとか、
それぞれ、その道に造詣のある人で、その人が選んだ“読んでおく価値のある”“とりあえず自分的には意味があると思われるのでチェックしておく”記事が入ってきて、それははてなブックマークトップページの“おすすめ!”“キーワード:はてな女子!”よりも、よっぽど、効率がいい。(その分、自分の世界が偏ってしまうことも多いんだろうけれども)

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はてなブックマーク自身は、他のキュレーションサイトとは少し偏りがあるかもしれないけれどもやっぱりキュレーションサイトだと思う。

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ただ、それよりも、個人の、おきにいり のページから見に行ける、ブクマ記事の方が、個人の思考と指向に機械がその人が見たいものをセレクトして選択するものよりも、いまのところマッチしてると思う。マッチ力が高い気がする。もしかしたらそのうちアルゴリズムが進歩して、もっと機械の方が的確に出来るかもしれないけれども。
あと、はてなのお気に入りには、“twitterの相互フォロー”みたいな、文化がないからっていうのも大きいと思う。そこらへんの殺伐としたところも、はてなが、はてな村がさかえもせず、滅びもしてないところだと思う。ただしはてなわんわんワールドは滅びた。

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本当にとりとめないな。
とりあえず、そのうちバイラルメディアは滅びるけれども第二第三のバイラルメディアのようなものはあらわれるし、はてなは、何かものを語りたい人という人的資源はたくさん持っているのだから、それを活用して(たとえば、ラノベ詳しい人がブクマするブクマの重み関数をブクマ記事だけ上げるようにして属人性をあげる)などすれば、機械が世界を支配するキュレーション界に置いて一歩先を行けるのではないかと思ったりしたり、あと、俺の予言はよく外れる!!!

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おわり!!

*1:電気マッサージ機の項目に電気マッサージ機と一緒にエログッズを一緒に買ってます!ってamazonが表示してて仕事しろamazonって思ったあと、電気マッサージ機のレビューが如何に以下略であっはいってなったけれどそれも良い思い出になるから

*2:実質的にはこういうサイトはアマゾンのアマゾン自身がやったらいい作品紹介を(イレギュラーな部分もあるんで出来ない)アウトソーシングすることになっていたんだと思います