orangestarの雑記

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ニュータウンには死がない。

だから生もない。
命の輝きがない。

人が長年住みついた町には、『見えない何か』がある。
それは、村の儀式やお祭りであったり、川の後であったり、交通事故の後であったり、そういういろいろな出来事が津軽塗やカフスボタンのような多層構造になっていて、普段は表に出ていないそれが断面として現れたとき、色々な模様を作る。

自分はニュータウンの生まれ育ちで、それにさらに引っ越し組なので、地元というものがない。地霊というものを持たない。地元の友人と呼べるようなものもいない。

命の希薄さのようなものを自分から感じるときがある。多い。

そういう死生観は、生まれとか育ちに結構関係しているのだと思うし、自分のこの、乾いた感じの死がうすら平べったく周りにまとわりついてくるような感じは、そんなニュータウン出身者独特のものなのではないか、と思うことがある。