orangestarの雑記

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ヤングブラックジャックがすごい面白い件

ヤングブラックジャックすごい面白いんだけど、周りで観ている人いなくて辛い。嫁も観てくれない。なので、どこがどう面白いか説明しようと思う。
百鬼丸先生とドクターキリーだけで10000%面白いんだけど、そういうのではなくて普通の面白い部分で。

青二才のブラックジャックが見れる

原作のブラックジャックって実際のところ年齢不詳で、50代のようでもあったり20代のようでもある。妙に青臭かったり全てを悟ってたり。そういうところがBJの魅力なんだけれども、映像化作品にするときにはそれが足かせになる。大塚さんのBJは素晴らしいのだけれども、原作の青二才分は補給出来ない。かっこよすぎてしまう。YBJはその大塚BJでは補えない原作の青二才分を補給できるので素晴らしい。ナレーションが大塚さんで、『あのころは俺も若かった…』みたいになってるのがたまらん。あと、同時代のほかのBJ作品へのクロスオーバーが地味に入っているのが心憎い。ほかの手塚作品をリファインしたキャラがスターシステムで出てきていて『わかっておる…』的なニヤニヤをしてしまう。ただし百鬼丸先生はやり過ぎだと思う。もっとやってほしい。

登場人物が魅力的

あと、メインの登場人物としてのヤブがいい。ヤブ先生がいい。ヤブ先生の魅力は語りつくせない。心がきれいなゆえにダメな人間というか。従軍医師だったんだけれども、助けられずに死んでいく戦友がトラウマになってヒロポン中毒になり、血を見るのがダメになって医者をできなくなり50万でBJに手術室を50万で貸して糊口をしのいでるんだけれども、ハザマの医者への志に感化されて「おれはこのままではだめだ」と思って再起を図るんだけれども、何故かそれで取った手段が「ベトナム戦争へ行って医者をする」…もっと他に方法はなかったのか…。
そのあと、ベトナムまで追いかけて助けに来たハザマに助けられるというおまけつき。でも、すばらしいんですよ。すばらしい凡人。超人ばっかりが出てくる世界で、どうやってあがくのかっていう、“BJの周りにいる凡人”が本当に素晴らしい。ヒロインもそんな感じ。

百鬼丸先生がヤバイ

以上述べたような良さを全部吹っ飛ばすレベルで百樹先生がヤバイ。キャラデザインと設定をどろろ百鬼丸から持ってきてるんだけど、完全にやりすぎ。ヤングブラックジャックって基本的にリアル、社会派志向でベトナム戦争であったり、学生運動だったりをモデルにしてるんだけれど、百鬼先生はそういうのを一気にちゃぶ台がえす。いや一応白い巨塔的な病院内政治をモデルにしてるんだけれども、百鬼先生の強烈なキャラクターがすべてを台無しにしている。最高。
百鬼先生について簡単に説明する。
百鬼先生はもともと優秀な医者だったんだけれども事故で両手足を切断して車椅子状態になる。一時は絶望していたけれども、本人が開発した独自の義手とブラックジャックの手術によって、献体の解剖が出来るまでに回復し、実際に手術ができるレベルまで回復する、が、その復帰の手術の場を、病院の院長などに奪われてしまう。そして、更に、自分の四肢を失う事故が、その院長らの派閥の人間によるものだとしる。百鬼先生は復讐の為に、手足の義手をさらにカスタマイズする。院長らの手足を刈っていくという復讐劇が幕を開けるのだった。
どろろがモデルになっているので、百鬼先生は、“俺の奪われた手足の代わりにお前の手足で返してもらう”という理屈で、院長派閥の人間の手足を刈っていくけれどもどろろ原作のように手足が戻るわけでもなく、ちょっと頭が大変なことになってる殺人鬼です。また、手足のカスタマイズ具合が完全にどろろで、カスタマイズした左手はマジックハンドになっていて2mくらい伸びたり、ロープアームになっていて屋上からぶら下がって降りることに利用できたり、また、右手はもちろん刀になっています。よく切れる。
あと、警官隊に向かって足を外して白い何かを発射した時は!すわ!硫酸!って思ったけれども、ただの煙幕でした良かった。
そういう感じで、ヤングブラックジャック(の百樹先生)は今季いちおしのキャラクターです。





いうわけで、みんなもっとヤングブラックジャックを見てほしい。おそ松さんもいいけどヤングブラックジャックもね!