orangestarの雑記

小島アジコの漫画や日記や仕事情報など

『誰か』の『何か』になるということ

内向きの話。ちょっとしたメモ


モノをつくる人、物語を作ったり、歌を歌ったり、作曲をしたりする人は恐らく、みんな『誰かの何かになる』と夢を持っていると思う。
ゴールデンカムイでも贋作師・熊岸長庵が「観たものの人生をガラッと変えてしまうような本物の作品を作りたい」と言っていたように、自分の創作物が、誰かの人生に対して、何らかの支えになったり、夢になったり、絶望になったり、願いになったり、呪いになったり。そんな風に『誰かの何か』になりたい、という願いは、創作や表現をしている人間はみんな持っていると思う。自分も持ってる。自分の書いたもので誰かの人生を変えたい

……ですが、よく考えると、実は、もうやってしまっていた
ご存じの方はいると思うのですが、『となりの801ちゃん』という漫画をかつて描いていまして、これは自分の人生(と自分の周りの人生)をかえた作品なのですが、これによって、多くの人の人生が変わってしまった、変えてしまった作品でもあって、小さな社会現象にもなったのです、今ではすっかりその変わったライフスタイルというものが一般化して、ゾルトラーク化されて忘れられてしまったのですが、確かに時代の節目にいて、ベンチマークになっていたのです。これは客観的にそうでした、今から考えると

で、自分はそれから、降りてしまった。自分の器量が小さかったのもありますし、上手くそれを理解することができなかった。人の心が分からないもので……。演じることができなかったし、演じることができなかったのが逆に良かったのかもしれないですが、責任(?)から逃げたみたいな気持ちがどこかにあります

あと、アイコンになったのは自分ではなくて、当時の彼女(現嫁)でしたし、それの人生を大きく変えてしまった、という、そういう責任もあります(ただし、本人、人間としてかなり面白いので、自分がそういうことをしていなくても、どこか別のところでこんなことになっていたと思う、それは間違いないし、なので、あまり責任は感じていません……むしろ自分が巻き込まれたまである)

規模は違うのですけれども、それが、少し、花譜さんとカンザキイオリさんと、PIEDPIPERさんとタブるのですよ。規模も何も全然違いますけれども。人の人生を巻き込んで、801ちゃんというアバターを着せて(自分はチベくんというアバターを着て)本人だけれども本人じゃない、でも、本当のことだっていう、この不思議な感覚。そして、誰かの何かになるということ、そういうので少しシンパシーを感じているのかもしれない

そして、『誰か』の『何か』になった後の、何か、をし続けることに対して。自分はそれから降りてしまって、本当に、申し訳ない。人の思いを受け続けることに対して、怖くなったのかもしれません。自覚は無かったのですが、そうかもしれない。別の申し訳ないの気持ちは妻に対してあるのですが、でも、自分は人間を頑張っているのでちょっと許して欲しい。自分はご存知の通り、人間に向いていないのです、表皮だけの存在だったので。それに中身を入れてくれたのは妻(と家族)ですが、それに対しては感謝の気持ちとなんかちょっと別の気持ちもありますが、それはまた別の話です

話がそれた……(?)まあ、とりとめもなく。とりとめもない日記なので


これからのこと、これから、まだ、また『誰かの何かに』

やっぱり今も、モノを書いているので、『誰かの何かになりたい』という気持ちはあります。モノを作り続ける限りそれはある。それは、誰かの作ったものを受けて、それを自分の中の何かにしてきたことを誰かに返したいという気持ちから来てるのだと思って、だから、なんかすげえもんを見たりすると、その気持ちは(モノを作りたいという気持ち)は強くなります

それがどんなものになるかは分からなくて
ただ、人生に関係なく、それを読んだ人間が『ああ、面白かった!』って思ってもらうだけのただ楽しいものを作りたいとも思うし
自分の感じてる社会や世界の問題を同じように知って欲しい、というものを作りたいという気持ちもあるし
自分の感じてきた人生のカケラ、その時の感情を、同じように知って欲しい、という風にも思う
自分が知らないものを、知って、その広がっていく世界を一緒に見て欲しいという気持ちもある

でも、時々、生活につかれて、『もういいや…他の誰かが同じようなものを作ってるし、それで十分でしょ……』って思うことも、まあ、あります

でも、今日は、昨日、とても良いものを見て、『ああ!自分も作りたい!』という気持ちがとても高まっていて、だから、今日は(当分は)すごく頑張ろう!色々作りたい!という気持ちがあふれてる
そういう気持ちを日記みたいにここに書きました


もう駄目だ、って思った時に見返そう


自分へ。もう駄目だって思った時は、花譜さんのライブブルーレイを見て下さい