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電人ザボーガー観に行ってきました。観に行ってきましたよ!
「よい子のみんな、悪之宮博士だ。今日は視聴者のみんなに映画電人ザボーガーの魅力をお伝えしよう」
という訳で、今日は電人ザボーガーがどんなに面白かったか、そして、職業クリエイター(漫画家とか脚本家とか監督とかほか評論家とか文章書き)が何故電人ザボーガーを観に行くと良いのかを事細かに説明するよ。
職業でモノを書いたり、評論したりする人間の職業病として、どんなに面白い映画をみても、そしてそれに自分が感動している最中でも、脳のどこか左上あたりの部分で、(あ、この演出は使えるな)とか(このタイミングで曲が入るとすごいかっこいいな)とか(同じモチーフの繰り返しというのは登場人物が増えてもストーリーを理解しやすいんだな、なるほどこうやればいいのか)とか(この固定カメラでみせるシーン、3秒くらいだけど、前後がカットの連続だからすごく長く見える)とか(シナリオの伏線の回収をしてないぞ)そういう、“あ、これあとで使えそう”とか“これしちゃ駄目だな”とかいうのを考えながら見てしまうようになるんですよ、職業病として。僕だけじゃなくって他のもの書きの人もそうだと思う。それはつまらない映画でも同様で、(ここをこうしたら面白くなるのに)(エンディングが長すぎ)とか、そういうのを考えて、純粋につまらなさを感じることが出来なくなってしまう。
どんな面白い映画も、つまらない映画も、脳のどこかで分析してしまって、映画として純粋に100%楽しめなくなってしまう。そういう職業病。
で、電人ザボーガーなんですけど。
電人ザボーガーにはそういうのが一切ない!!!!!まったく勉強になるところがない!!!得るものがなにもない!!
いや、脚本とか、演出とか、すごいところとか見習うところとかあるんだけど、全部井口昇監督と板尾創路にしか出来ない事だから、そんなの考えるの無駄というか、あーーー?って感じでそのサブ脳がマヒして、何も考えられなくなる。
なんで、すごい面白かった。こんなに映画自身で面白かった面白かった!って思えたのは久しぶり。映画を見た後に、演劇の脚本を書いてる友人と話した時も、他の映画を見た時なら「どこどこの長回しがよかった」とか「あのシーンは蛇足だった」とか「あのシナリオだと、主人公の動機が最後意味不明なものになる」とか、そういう話をしてるのに、ザボーガーのときは「よかった」「おもしろかった」「……」「ちぇーんじ!すとろんぐ、ザボーガーーGO!」としか言えなかった。
多分、一般の映画批評とかの得点がつくなら65点くらいの映画なんだろうけど、でも、モノを作ってて、そして、100%映画を楽しく見る、ということが出来なくなった人は、是非ザボーガーを観に行くべき。
久しぶりに本当に100%楽しい映画体験でした。