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伊勢神宮とポケモンGO禁止には300年の歴史がある


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togetter.com

伊勢神宮の広報室広報課では「神宮の中では生き物を捕まえることはできませんし、人の入れない場所もあります。森の中にいるポケモンは捕まえずに、できればそっとしておいてあげてほしい」と、コメントしています。

伊勢神宮ポケモンGO禁止問題には、300年の歴史、というかジレンマがある。
そう、みなさん御存じのおかげ犬である。
おかげ犬とは、江戸時代にお蔭参りが大流行した際、参詣出来ない人に代わって、犬が地方の町村から人間の替わりに伊勢神宮まで参詣してもとの実家まで戻って旅をした、という実話である。明和続後神異記にもそう書いてある。


しかし、この犬の参詣には、伊勢神宮のジレンマみたいなものがある。
もともと、伊勢神宮は穢れを極端に嫌う場所であり、犬は入場禁止であった。また、犬を狩ったりすることも忌みになり、犬がたくさん伊勢神宮の境界の中に入ってきたら、一匹ずつ追い出したりもうとにかく大変だったし、「見なかったことにするから“どうにか”してくれ」っていってどうにかしたりとか、もう、とにかく、大変だった。犬は黒不浄(死、人の骨を拾って持ってくる)や赤不浄(出産、建物の下で勝手にこどもを産む)を持ってくるのでもう本当に困ったものだった。というわけで伊勢神宮は犬や動物は絶対立ち入り禁止だったのだ、お伊勢参りが大流行するまでは。


伊勢参りが大流行して、なし崩し的にそこらへんの禁忌がとかれる。犬のお伊勢参り自身が“犬でさえ、お伊勢さんの威光がわかる”として、お伊勢参りの宣伝になったのだ。そして、犬以外のいろんな生き物も参詣するようになる。にわとりがとまれば、にわとりも参詣したとなった。そして、実際に、牛や馬、豚も各地方から参詣したという記憶が残っている。猫以外のあらかたの動物は、お伊勢参りをしたらしい。


明治時代になって、野良犬が少なくなったり、明治政府の“天皇中心、神道の格をあげる”という政策の影響もあり、お蔭参りししんもすたれて行き、犬のお蔭参りもなくなった。そして今にいたる伊勢神宮だけれども。


そして、犬のお伊勢参りがなくなり、150年がたち、ポケモンGOが始まった。
つまり、電脳動物のお伊勢参りである。
犬もお伊勢さんの威光にすがってお伊勢参りするのに、ピカチュウが参らないわけがない。皆がそうしてお伊勢さんに大挙して押し寄せるようになった時、伊勢神宮は、
“「神宮の中では生き物を捕まえることはできませんし、人の入れない場所もあります。森の中にいるポケモンは捕まえずに、できればそっとしておいてあげてほしい」”というルールと現実のジレンマの間で、また迷うことになるのだと思う。

犬の伊勢参り (平凡社新書)

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