
- 作者: 藤沢勇希
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2000/05
- メディア: コミック
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パニックモンスター作品として、多分自分の人生の中で一押し。
- BMというモンスターの設定がとてもよい。
- 全長30~50、乾燥に弱く(動けなくなるだけで死にはしない)動きは鈍く、何でも食べていくらでも増殖する、という設定なんだけれども、これが本当に素晴らしい。エグザイル算じゃないけれども、単体で向かい合えば何とかなるけれども、等比級数的に増殖してあっという間に手に負えなくなって詰むという、このどうしようもなさがいい。
- あと、出自。人間が食料危機をなんとかするために作り出したという業の深さ。
- ビジュアルがいい。人間の形をした奥歯がずらりと一面に並んでいる軟体動物って、生理的に物凄い来るものがある。すばらしい。
- 結局どうにもならなくなって、日本が九州を遺して滅んじゃうんだけれども。
- 物語の作戦的には、籠城と撤退がメインになる。が、それだけではない。
- 全3章(小学生編、中学生編、高千穂編)なんだけれども、それぞれ、
- 周りが全部モンスターに囲まれた街で、何とかそこから脱出する
- 大きなビルの中に閉じ込められて、別の種類のモンスターも出てきて上に上がったり下に下がったりで、モンスターを倒して脱出する方法を探す
- BMをめぐる人間関係
- と、バリエーションがあってすばらしい。
- 対処を間違わなければそんなに恐ろしいモンスターではなく、ただ、『油断』すると一気に牙をむいて人類を滅ぼす、という、人と技術の業みたいなものを、ビジュアルと設定で表現していて、すごい上手いなあって思う。
ハリウッドとかで映画化してくれないかなーって常々思っているんだけれども、それ以前にみんな知らなくて辛い。
チャンピオンが最近元気なので、昔のこういうすげーいい作品とかもみんな見直してくれるとうれしい。