アマゾンの新書のベストセラーのページとか観てると、世の中ってやっぱりなんか平和だし、うまく生きれない人間がうまく生きていけるような場所ってやっぱりあんまりないのかなって思うよ。書物はあんまり世界を広げなくて、自分の今いる世界を強化して世界を見えなくさせる為のツールなんじゃないかなって思う。自分のことも含めて。*1
世界、の見え方を広げる時って言うのは、もう、身近な人間や、現象で力づくにこじ開けられないと気付かなくって、それで、そうなった時に大騒ぎして、でも、その人の隣で、そのずっと前から同じように苦しんでいた人がいたことについてはやっぱり気がつかなくて、「これは大問題だからどうにかしなくてはいけない、こんなことがないようにしないといけない!」と叫んで、でも、となりで苦しんでいた人は、もう、その問題自身と、自分自身をすり合わせて、その問題と身体の一部を溶けあわせて、何とか生きていくようになっているのに、やっぱりそのことについてはあまり考えないで、その隣人を殺すのだろうと思う。
- 作者: 大野更紗
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2011/06/15
- メディア: 単行本
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*1:まあ、それは本だけじゃなくってインターネットも同じなんだけど