- 作者: 雀野日名子
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2008/10/25
- メディア: 文庫
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表題作のトンコは70Pくらいの短編。本の紹介のところに書いてある通り、養豚場のブタ目線から観た世界の話。ただ、なんていうか描写が丁寧で。
家に、ぷりぷりしたお尻の生き物を飼ってる人は読んではいけない。
うちでは、猫を飼っていて、それがしっぽが短くてお尻が大きくてちょっと豚のような形状をしているんだけれども、豚が仲間を呼ぶしぐさや、餌を食べる仕草や何かを探すしぐさがとても丁寧に描かれているので、読んでいる最中、うちの猫があちこちに身体をこすりつけて匂いをつけてるしぐさや、部屋のすみや狭いところを鼻をスンスン鳴らしながら匂いを嗅いでいる姿を思い出して、何ともやりきれない気持ちになった。
ホラー文庫だけれども、ホラーというより、なんだろうな。ゴーリーとかにも似てるけど、もっと、筆致が動物の可愛さに対しての愛のようなよく分からないものが溢れているように読めて、後味が悪いというよりも、ただ、悲しい。
多分面白いんだと思う。