orangestarの雑記

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いつかどこかで会えると思っていた人にもう会えないということ

色々考えたけれども、自分にとってそういうことなんだな、って思った。
家族でも友人でもないから悲しむのはちがうと思う。直接やりとりをしていたわけでもないし。ただ、同じ場所で、同じようなことをして遊んでいた、ただそれだけの関係で。

例えば、ゲームセンターで高得点のところにいつも名前があって、お互いに存在を認知して、時々同じ時間に同じフロアにいることもあるけれども、一度も話したことのない存在。でもまあ、いつか、何かの機会に話すこともあるだろうし、って思いながら、積極的に話にいったりすることも無い、そういう関係性だったように思う。

悲しい、というようなものとは違うと思う、この感情は。ただ、「ああ、もう会えないんだな」っていう、漠然とした、霧みたいな喪失感。ただ悲しくて寂しい。

今までも何人か、ネット上で、お互いに認知していたり、一方的に認知していた人が亡くなったことがあって。その人が亡くなった後も、そのブログやレンタルサーバーの契約が残っているうちはその人のサイトが更新されないまま残っていて、そして、サーバーの契約が切れたり、無料サービスでもその無料サービス自身が終了したりして、not found になって、もともとどこの誰かも知らない人が、知らないまま、居なくなってしまうっていうことが、何度かあって。もう会えないんだな、物理だけでなく、このウェブ上からもいなくなってしまったんだな、と思うことがあって。

この間、同じようなことがあったとき、だから、ネット上で会ってみたい人がいたら実際リアルであうようにしよう、交流したい人がいたら、実際に話しかけてみよう、ってそういう風に思っていたのに、結局また、まあ、こういう風に。

1週間経った。人は色んな理由で死ぬし、自分にとって今回のそれは、あんまり重要じゃないって思った。実際、自死よりもマシだと思った。原因は、増田含めたはてなの仕組みにあるという話があって、それはまあ、正しいと思う。はてな、はてな村の人間関係、関係が無くても、そこでのペルソナの在り方は、よくも悪くも繕わない場所だった。20年前のテキストサイトのような趣きを残す場所だった。他のインターネット上の人が集まる場所が、リアルの人間関係と同じようなマナーとしての気遣いと、威圧としての気遣いと、威圧としての自己顕示と、マナーとしての自己顕示で成り立っていて、タイミングよくボタンを押していくということ以外がすることができない場所になってしまっていく中で、はてなブログだけは、代が変わっても、そういうむき出しの色々なものを出したまま、成立できるコミュニィであり、そういう人間が集まっていたと思う。

あってみたい、話してみたいと思う人は、結構たくさんいる。でも、話しかけて迷惑かもしれないとか、(自分は人間関係を維持する能力が著しく低いので)結局疎遠になってしまうのなら話しかけない方がいいなとか、そういう風に思ってしまう。自分自身忙しくて、そういうことに割いているリソースが無かったり。

はてなは、絡んだり関係が出来たりするのが仕組み上起こりやすいようになっていて、それが悪い結果を呼ぶこともあるけれども、でも、それで出会えることもあるし、できるだけ、自分もこれからはちゃんと絡んでいきたいって思う。








はてな村奇譚上

はてな村奇譚上

孤独と、魂がないということ_紅玉いづき「悪魔の孤独と水銀糖の少女」

あとでちゃんとした感想を書くとして

  • 相変わらず紅玉さんのもつ”情景のイメージ”は美しいな、美しい。
  • やっぱり紅玉さんの書く物語の根っこにあるものっていうのは、『取り返しのつかない変質、変容』なのだなって思ったり。
  • あと呪い。
  • 「あ!これアリュージョニストで見たやつだ!」
    • 深い部分を流れる”ああ、いやだな、辛いな”っていう部分が、同じなので、アリュージョニスト好きな人は多分絶対好きだと思う。
    • アリュージョニスト好きな人は見てほしい。いや、アリュージョニスト人口の方が紅玉さんのファン人口に比べて圧倒的に人数は少ないですけれども。
    • ネタバレになるからこれ以上は言えない。まがい物がどこまでいってもまがい物のまま、何かになる話、とだけ。
  • もう一度書くけど、紅玉さんの”造形物”に対するイメージが本当にきれい。白の騎士と鳥とか少女の体のこととか。

なんだろ、自分周辺の村にだけ刺さるものなのかもしれないけれども。

  • そのように生まれてしまったもの、そのようになり果ててしまったものが、そのようにあり続けること。
    • (そこにとりたてて外部的な”不幸”とか”かわいそう”とかの価値判断を挟み込まない。
    • (たぶん、それを差しはさむとそれは不幸であったりかわいそうであったり、是正されるべき状態なのだろうけれども。
  • そういうものに対して、自分の感情がムーブするのは、自分がそういう状態にあるからなのか、それとも一般的にそういう”成り果ててしまった”感情っていうのはみんなが持っている物なのか。

舞台でできるな、これ。二人芝居とかで。

  • って思った。
  • すごくうまい二人芝居で観てみたい。


また後でちゃんと感想を描くけれども、とりあえず。メモ書きで。
とても面白かった!

悪魔の孤独と水銀糖の少女 (電撃文庫)

悪魔の孤独と水銀糖の少女 (電撃文庫)