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地獄先生という概念の拡張性の高さ


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地獄先生という概念の拡張性の高さがすごいと思うんですよ。ものすごい発明だと思う。


トイレの花子さん、っていう概念がありますよね。それぞれの小学校や中学校のどこかのトイレの3番目に棲んでいる都市伝説の妖怪。
H20年の段階で、全国に小学校が22,693校、中学校が10,955校あるから、大体3万人くらいの花子さんがいるわけですよ。
でもその花子さんは全部同じ花子さんだし、“花子さん”という共通の概念である。難しい問題です。A中学校の花子さんとB中学校の花子さんは挙動が同じだけれどもそれは同じ花子さんなのか。トイレで死んだ女の子、いじめられて自殺した女の子、というようなそれぞれさまざまな伝説があるけれども、じゃあ、出自を共通する花子さんはどうなのか。そしてその学校で実際になかった出来事、昔この学校が出来る前の学校の出来事で発生してその地域全体に同じように波及している花子さんは同じ花子さんなのか違う花子さんなのか。あちこちの学校を移動している、という設定をもつ花子さんもいる。しかしそういう花子さんも多分同時に1000人くらい存在しているだろう。ミッキーマウスか。しかしミッキーマウスと違うところは“ミッキーマウスは世界にひとりだけ”という設定をみんな暗黙に了解しているのに対して、花子さんはいくつもの学校にいるとみんなが認識していることだ。これは民俗学の話をしているのではない。個人の人間の他者としての妖怪の認識についての話をしている。

さてここからが本題。

地獄先生とは“それぞれの学校にいて、普段はダメな教師だけど心霊的な出来事があると助けてくれる先生”

地獄先生ぬ~べ~は学校が舞台で、そして学校の外に話が広がることがない。たまにはあるけれども、市内レベルとかそんなに広がらない。あくまで、小学生が行動できる範囲、認識できる範囲、つまり“小学生の持ってる世界観”の中に納まっている。つまり自分の小学校の校区内の話で、他の学校ではどうなっているか、っていうのが語られていないわけだ。
そして、小学生だったぬ~べ~先生を助けてくれた美奈子先生。美奈子先生は小学校で心霊的なことを解決してくれる先生だった。初代地獄先生と言ってもいい。(ところで作中で鵺野先生って地獄先生って呼ばれてたっけ?呼ばれてなかった気がする。SEED世界のガンダムみたいな感じ?)

“地獄先生”を概念として花子さんみたいに妖怪化?すると、『学校に一人いて、普段は目立たないけれども、心霊的なトラブル(こっくりさんとかキツネツキとか)が起こると、解決してくれる先生』という感じになる。それは図書館の司書の先生でもいいし、保健室の擁護の先生でもいい。ちょっと民俗学っぽいことをしていた初老の社会の先生でもいいし、おまじないに詳しい音楽の先生でもいい。そういう先生が、幽霊をみたとか怖い夢をみたっていう相談に乗ってくれて、おまじないを教えてくれたり、そういう不安の原因を教えてくれたりする。そういう、地獄先生、という概念。

そういう地獄先生が、自分の学校にいるかもしれない。そういう事を「地獄先生ぬ~べ~」は学校の校区外へ広がらない物語だからこそ、思わせてくれる。


そういう意味で、地獄先生という概念はすごいし、拡張性も強い。


小学校時代、中学校時代を思い返してください。学校の花子さんやひとりでになる音楽室のピアノなどの七不思議や、七不思議にならないまでの怖い夢の話や幽霊の出てくる橋の下、こっくりさん、言ってはならない夕闇に現れる女の人の名前。そういう“概念”とともに、そういう話に詳しかったり、他にオカルトや妖怪の話を教えてくれたり、テストでいい点を取れるおまじないや、怖い目に遭わないおまじないを教えてくれたり、良くないことが起こる前に忠告してくれたり、幽霊が出るから、って言ったら帰り道途中まで一緒についてきてくれたり。そういう先生はいませんでしたか?多分、そういう記憶もあるはずです。



それが、あなたの、地獄先生です。

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(1700文字/20分)