orangestarの雑記

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アリスインデッドリースクールというのはどんなお話しか

先週末に発売になりました。(電子書籍版も発売中です)
小島アジコ(id:orangestar麻草郁(id:screammachine)の女子高生ゾンビものです。


アリスインデッドリースクールはもともと舞台で上演されているお話で、それを4コマ漫画に翻案したものが、この漫画アリスインデッドリースクールになります。
2010年に初演があり、今なお、何度も再演がなされている、人気作です。

突如発生したゾンビ(らしきもの?)から逃げてきて屋上に集まった普通の女の子たち17人の、ゾンビが発生した日の朝から夕暮れまでの物語です。


彼女たちは、普通の女の子らしく、それぞれが、周りとうまくやれないとか、友達を裏切ったままそれを償う方法がわからなくなっていたりとかそんなよくある悩みを抱えています。


そんな女の子たちが、世界の終わりに遭遇して、そして迷ったり決断したりするお話です。


ぜひ、一度、舞台をみてほしいのですが、本当に奇跡のような作品で、とくに初演の際はホリゾンがとても綺麗でした。ホリゾンというのは、舞台の後ろにある白い幕で、そこにライトを当てて、風景を演出したりするものです。お芝居ではあまり使われず、小学生の合唱コンクールや朗読劇などで、シーンを表すために切り紙細工を当てたような影とともに使われたりしてします。
夕闇が迫り、夜のとばりが下りていく、救助が来ない、という不安がだんだん現実のものとなり、そういうシーンでホリゾンがとても効果的に使われていて、屋上のセットとともに、演劇の舞台装置でこんなに感動するとは思いませんでした。


…というようなことを、公演が終わった後に麻草さん(id:screammachine)さんに言ったら、
「お前もっと別に褒めるところあるだろ!!」って言われた。うん、そうだよね。


女の子たちの演技がみんなとてもよくて、脚本の都合上、17人がほとんど舞台に出っぱなしになるんだけれども、その中で、セリフをしゃべってお話を回してる子以外の子も、そこで、その場所にいて、確かに生きていて、だから、だれが主役ということはなくって全員が主役だったんです。(もちろん物語的に物語を動かす役や、セリフの過多はありますけど)


それで、ずっと、このお話を何とか漫画化したい、この世界観にかかわりたいとずっと思っていたんですが、電撃だいおうじという雑誌が創刊する際に、その編集さんから声を掛けていただいて、ああ、これは。と思い、編集さんに相談して、そして、連載、という形になったわけです。この無茶な企画を受け止めてくださった編集さんには本当に感謝しています。
(この作品のコンセプトを麻草さんと話しているときに『実は萌え4コマを意識している』という話を聞いていたのも、影響しているかもしれません)


そして登場人物17人…(途中出てくる大人も入れたら19人)


17人……。


連載について、編集さんと麻草さんと話をしているとき、人数を減らす、という話も出たのですが、しかし上述の通り、僕は「17人全員が主人公」って思っていたので、多少厳しくても、17人を全員出すべき、だよなあ(自信ない)と思って、17人全員出すことにしました。それで結構話もごちゃごちゃしてしまいましたし、(それは自分の実力不足によるものです)キャラクターも、わかりやすさということを考えれば、もっとキャラを立てて行けばよかったんですが、自分の中で「普通の女の子が普通に悩んで答えを出す」というお話だと思っていたし、そうであるべきだと思っていたので、あまりとんがったキャラクター付をしていないのでインパク値も小さい、という問題もあります。


でも、できるだけ、この原作の雰囲気や、風景を再現したい、伝えたい、というのがあり、そして、それはある程度何とかできたんではないかなあ、と思っています。


是非読んでほしいです。


そしてできれば、もともとのお芝居の「alice in deadly school」も見てほしい。
今年の夏にまた東京で再演があるのです。


チケットかなり取りにくいかと思いますが、そちらもぜひ見てほしいです。



今回、アリスインデッドリースクールの3,4,5話をお試しで公開します。
1、2話については、あまりにもキャラが多いのでキャラ紹介をしないととっつきが悪い、ということで、17人の人となりを紹介する、ゾンビ登場までの前日譚です。
もともとの「alice in deadly school」は、この3話の冒頭の、屋上のユウとノブの漫才シーンから始まります。


コミック電撃だいおうじ公式サイト│ラインナップ←こちらで1話の試し読みもできるのでこちらも是非お読みください)


それでは、開演です。