orangestarの雑記

小島アジコの漫画や日記や仕事情報など

はてな村奇譚75

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苔道 創刊号 苔道シリーズ

苔道 創刊号 苔道シリーズ



台詞

最初に言いましたね
『衣食住がみたされるようになって初めて次の段階の欲求が産まれる』
ーというのは間違いだと


正確には
『衣食住では欲求を満たしきれなくなったから
次の段階の承認欲求や自己実現欲求が産まれた』
んです

音楽も宗教も共同体も、
衣食住が十分にあり
そして

それで満足できていれば必要ないんです


もっとも、共同体は互助組織的な役割もありますし
宗教は戒律によって『共有地の悲劇』を避けるという役割もありますが


文化というものは
衣食住、性欲の上にこびりついた苔のようなものです



ご連絡とお知らせ





2月25日~3月1日にかけて大阪市創造芸術館にて、
僕が電撃だいおうじで連載させてもらっている「アリスインデッドリースクール」の原作?の舞台が上演されます。


よろしければ是非ご観覧下さい。超面白いですよ!

いよいよ明日から(今日から?)です。

電撃大王 2015年 03 月号 [雑誌]

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脚本は(id:screammachine)さんです。
どうぞよろしくお願いします。

リリィシュシュのすべて/田園が広がる地方都市の中学生、終わってくれない世界

今週のお題「ふつうに良かった映画」

リリイ・シュシュのすべて 通常版 [DVD]


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昔の映画で、だから、使われてるガジェットとか古い。
中学生同士の関係性も、貧困がリアルになってきて、格差があるのが当たり前、コミュニケーションの手段が携帯電話になって、ある程度、逃げ道が出来ている今と違って。
ネットでの知らない誰かとのコミュニケーション、そういう世界の果てへの脱出ツールだったインターネットがリアルの人間関係に浸食されて、どこまでも日常が追ってくる今と違って。
可能性、世界へ広がってるかもしれない可能性。


だから、それが、どんづまっているこの日常の延長線上にしかない、と知ってしまった、理解してしまった時の絶望、子ども時代が終わる瞬間。


ああ、言葉にすると、すごい陳腐になる。


この物語の、それは、水の底のような静かで、音のない世界、冷たくて透き通っていて、おしつぶされそうに重いのに、まるで死んでいるみたいに安心する、そういう世界、と、その世界で、深海魚のように息を殺しながら生きている少年たちの、そんな世界の話だ。



今も、田舎のリアル中学生の間にはこういう世界観のリアルがあるんだろうか。少なくとも自分が中学生の頃には感じていた。